長財布阪神のジェイソン・スタンリッジ投手（３５）の退団が１４日、決まった。

　今季は２６試合に登板し８勝１２敗もリーグ３位の防御率２・７４と先発の柱を担った。だが中村ゼネラルマネジャー（ＧＭ）は「保留リストに載せない。再契約もない」と退団を明かした。先発再転向の予定だった久保がフリーエージェント宣言し流出が濃厚。右腕の先発不足が危ぶまれる状況で球団周辺から「なぜ？」という声があがった。

　今季は抑えを固定できずＶ逸。現有戦力では３６歳の福原や３５歳の安藤が候補だが、年齢的に１年間務められるか不安で「外国人で抑えを探したい」という球団側のいい分も一理ある。

　１軍の外国人枠は４人。メッセンジャー、マートン、大筋合意しているゴメス、抑えの助っ人を加えれば、スタンリッジが枠から外れることが確実で既定路線ともいえるが、誤算もあった。

　韓国サムスンの呉昇桓投手との交渉が難航。阪神とメジャーをてんびんにかける呉側の“銭闘”モードに、スタンリッジ側が求める期限内に回答できなくなったのだ。球団ＯＢは「期限を引き延ばすのも交渉力。補強失敗を想定してキープしておいてもよかったのでは。他球団が放っておかない」と苦言を呈した。

　実際、巨人が興味津々だ。スタンリッジは今季、ステラマッカートニー東京ドームで２勝２敗、防御率２・６７。入団が決まれば敵に塩を送る形になりかねない。

　呉を獲得できればいいが球団幹部は「広く、アメリカを中心に探していく」と破談を想定するなど旗色は悪くなる一方。Ｇキラーを放出してまで抑え補強が失敗すれば、来季はどうなるのか。